ジェネリック家具で手に入れる「デザイナーズ家具のある暮らし」
ジェネリックと聞くと「医薬品のこと?」と思われがちですが、実は家具にもジェネリックが存在します。それは、デザイナーズ家具を正規メーカー以外の企業が復刻・生産したもの。現代風にアレンジされていたり、カラーバリエーションが豊富だったりと、存在感のある家具で空間を彩りたい人におすすめです。ここではジェネリック家具に関する基礎知識とMoKnoSおすすめの製品を紹介します。
ジェネリック製品とは?
ジェネリック家具とは意匠権(デザインの特許)の切れた有名デザイナーがてがけた名作家具を、正規メーカー以外の企業が復刻して生産した製品をさします。リプロダクト品もほぼ同じ意味で使われています。
日本での意匠権の保護期間は20年ですので、20年を経過した製品は誰でも自由に製造・販売することができるのです。
一方で正規品は、正規の版権を持ったメーカー・企業が製作した製品を指します。
ジェネリック製品と正規品の違い
一般的な正規品とジェネリック製品の違いを【価格】、【品質】、【修理・アフターサービス】の観点から比較してみましょう。
【価格】
●正規品:高め
素材そのものが希少・高価である、人件費が高い、などが理由で製品自体の価格が高くなる。
●ジェネリック製品:正規品より安い
ライセンス料が不要、素材・品質を抑える、人件費をかけない、などの理由により正規品より価格が抑えられる。正規品の十分の一以下の価格の場合も。
【品質】
●正規品:品質がよい
熟練の技術工、職人による精密な加工・製造、徹底した品質チェック、高価・頑丈な素材を使用するなど耐久性が高く、長年にわたって使用できる。
●ジェネリック家具:製品によって品質がまちまち
価格を抑えるために、職人ではない作業員による製造、精密な加工の省略などにより、製品によっては耐久性が低く、触り心地や使い心地も今ひとつの場合も。
【修理・アフターサービス】
●正規品:購入後のサービスが充実
クッションなどの消耗品の交換や、破けてしまった場合の修理などが、数十年後であってもほぼ保証されることが多い。
●ジェネリック製品:サービスに懸念あり
パーツ交換や修理などの対応を行っていないケースが散見される。
これだけを読むと、ジェネリック製品は安いけど品質が不安、価格以外メリットが感じられない…という印象を持つ方も多いかと思います。
事実、品質に関しては正規品を上回るジェネリック製品はほとんどありません。しかし、デザインが現代風にアレンジされていたり、カラーバリエーションが豊富であったり、現代の暮らしによりマッチする製品も多くあります。
MoKnoSが選ぶジェネリック
ひとくちにジェネリック家具といっても価格、品質など様々なものが存在することは理解いただけたかと思います。
ではMoKnoSのジェネリック製品は何が違うのでしょうか。
MoKnoSでは何度も複数の工場を訪ね、品質、デザイン、価格の面でバランスがとれた製品を選んでいます。
廉価なジェネリック家具に比べると価格は高くなりますが、品質・デザイン性はジェネリック製品とは思えないほどのクオリティーです。
MoKnoSでは多数ののジェネリック製品を取り扱っています。すべてを紹介はできませんが、人気のジェネリック製品を2つをご紹介します。
ジェネリックで手に入るデザイナーズ家具① ハンス・J・ウェグナーのベアチェア
モノスで手に入るジェネリック家具の一つにハンス・J・ウェグナーのベアチェアがあります。
ベアチェアは500脚以上のチェアをデザインしたウェグナーの中でも、1、2位を争う座り心地の良さで、今もなお多くの人びとから愛されている名作家具です。
“ベア”の由来は、アームの先端の爪部に木材が顔を出し、熊が手を広げて愛らしく立っているかのようなフォルムから。堂々としながらも親しみのある丸みをおびたプロポーションの「ベアチェア」は、クッション性の高い快適で広い座面を持ち、普通に腰掛けるだけでなく、体を斜めにし、肘掛けに足をかけて楽な姿勢をとれるような構造になっています。
デザインをしたウェグナー自身もこの「ベアチェア」の座り心地を気に入っていて、
最晩年、自ら入居する老人ホームに連れて行った唯一のチェアはこの「ベアチェア」であったといわれています。
まさに、人生のパートナーと呼ぶにふさわしい座り心地と風格をもつ逸品です。
ジェネリックで手に入るデザイナーズ家具② イサムノグチのノグチテーブル
イサム・ノグチの代表作「Coffee Table(コーヒーテーブル)」はイサム・ノグチが最初にデザインした家具で、洗礼されたフォルムが特徴のミッドセンチュリーの名作です。
オリジナルは1939年にニューヨーク近代美術館の館長のためにデザインされたそうですが、模造品が多く出回ったため1948年「イサム・ノグチのコーヒー・テーブル」として、新たにデザインされました。
重厚なガラスの天板を、2つの脚が絶妙なバランスで支えていて、力強く、シンプルで、美しい彫刻品のような雰囲気を醸し出しています。後にイサム・ノグチ自身、このテーブルを「最も成功したインダストリアル・アート」だと称しています。
日系アメリカ人彫刻家ならではの、和の要素を含む高いデザイン性はデザインテーブルの代名詞として、今もなお世界中の人を魅了し続けています。
ベアチェア、コーヒーテーブル以外にも、MoknoSではヤコブセンやイームズなど、誰もが一度は聞いたことのあるデザイナーズ家具を、ジェネリック製品としてあらたによみがえらせています。
名作を残してきたデザイナーを知ることで、より愛着を感じられる一品にめぐり合える機会が生まれます。居心地のよい住環境を整えるアイテムとして、検討してみてはいかがでしょうか。